HATOGI屋(ハトギヤ)

研ぎにかかる時間

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今回は、包丁の研ぎにかかる時間についてお話ししていきたいと思います。

みなさんは、ご家庭で包丁研ぎにかける時間はどのくらいでしょうか?

おそらく簡易研ぎ機(シャープナー)で5分か10分くらいが妥当ではないでしょうか。

そして、僕ら研ぎ師もそれくらいで研ぎが終わるものだと思っていませんか?

僕に研ぎ依頼を出してくださるお客様達は、僕が研ぎにかかる時間をお伝えすると「え!?そんなにかかるの?」とビックリされます。

 

研ぎ師が研ぎにかける時間とは?

皆さんは、研ぎ師の包丁研ぎがどれくらいかかるか考えたことありますか??

15分?

30分?

1時間?

1時間以上?

正解は研ぎ師によってバラバラですが、僕はだいたい1時間前後です。

もちろん30分くらいで終わる場合もあります!!

ですが、僕の平均は1時間前後です。

時間がかかるものだと3時間以上ということもあります( ゚Д゚)

なぜそんなにバラつきがあるのかというと、単純に包丁の大きさだけでなく、様々な要因があります。

 

研ぎに時間のかかる包丁の特徴とは?

時間のかかる包丁の特徴は

1.刃が正常な形ではなく、歪んでいる

2.包丁が分厚いのが理由で”肉抜き”が必要

3.欠けが大きい

4.刃先だけ研がれ、刃先が丸くなっている。もしくは角度が鈍角な段刃になっている

            +

5.上記4つの理由プラス、包丁に使われている鋼材が硬いと悲惨、、、笑(*´▽`*)

以上の項目が時間のかかる要因の一部です。主な要因というだけで、細かい要因は他にあります。

それらが組み合わさって時間がかかることもあります。

これらの要因の逆が時間のかからない包丁の特徴ですね(*´з`)

研ぎをやったことのない方でもなんとなく想像してもらえたでしょうか?

1.の要因は”コンコルド”という形が一番多いのですが、皆さんも【包丁 コンコルド】でネットで調べてみてください。どういう形か分かると思います。飛行機のコンコルド型になっている為にそのような名がついてのだと思いますが、もっと大げさに言うと”鎌”のような形になってしまってるということです。洋包丁も和包丁も関係なくこのようになってしまっている包丁はあります。間違った研ぎ方をしている人ならではの特徴ですね。

これを、綺麗な刃線に直すの大変なんですよ~( ;∀;)

2.の要因は、”肉抜き”と言うたくさん包丁の側面(腹の部分)を削って薄くして、食材の切り抜けを良くする加工技術です。

たくさん削るので、時間がかかります。峰はともかく、刃先までもが分厚い牛刀によく施しますね。

3.出刃とか柳刃包丁とかの欠けが大きいと、それを研ぎ直すのはとても大変です!いつか図で説明したいと思います!とにかく大変!!笑

4.これも欠けが大きい時と同じでとても大変!!!「大変!!」だけじゃ皆さんに伝わらないですよね、、、(^-^;

3と4が大変な理由をシンプルに言うと、、、

通常の研ぎ直しより、鉄を削る量が多く、形を整えるのに繊細に慎重に削って行かなければならない!!ということです( ;∀;)

 

もちろん機械(大きなドーナッツみたいな形の砥石が回転するアレです)を使うこともありますが、機械はざっくり削れてくれるので、微調整ができません。(出来ないこともないですが失敗すると大惨事になるので、ざっくりと削ります。)微調整はやはり手研ぎが一番なので、機械を使ってもどうしても時間がかかります。

そして、「ここは機械を当てるのは難しいな~」という部分もあります。

結局、「悩むなら最初から手研ぎでいいわ!!」という考えに行きついてしまうので、難しい研ぎ直しでも最初から手研ぎで始めてしまうことも多いです。

5.の理由は、いろんな包丁を研いだことがある方でないと伝わらないと思いますが、包丁の硬さも様々で、本当に硬い包丁は、マジで研ぎにくいです!!!「も~いや!!」ってなります。包丁がなかなか減らないんですよ。修正したくても、、、なので当然、時間がかかります。

ちなみに、僕は人造砥石をメインで使っていますが、天然砥石を使っている研ぎ屋さんはもっと時間がかかって大変ですよ!!だから研ぎ代が高くても仕方がないことなんです、、、(-_-;)

幸い僕の店では、包丁研ぎ料金に関して、「高い!!」とはほとんど言われたことはありませんが、中には丁寧な研ぎで頑張っているにも関わらず、料金で色々クレームを言われる研ぎ師さんもいるそうで、とても可哀想ですね、、、

大きさにもよりますが、包丁1本2000~3000円だとしても、決してぼったくりではありませんからね。(もちろん技術があることが大前提ですが)

 

手研ぎは時間がかかるのはわかったけど、それなら機械研ぎでやればいいんじゃないの?

手研ぎは時間がかかるお話をしたのですが、そうなると、

「全部機械研ぎで終わらせればじゃん」という意見が出てくると思います。

僕の場合、なぜ全部機械研ぎで終わらせないかと言うと、

どうしても途中からの微調整が機械では上手くできないので、手研ぎで行うしかなく、そうしています。

大手のメーカーが持っているような、完璧に微調整ができ、自動で綺麗に研ぎ上げてくれる最新鋭の大掛かりな機械もありませんし(-_-;)

もちろん、全部機械研ぎで終わらせる研ぎ師さんもいらっしゃいますよ。僕は否定しません。その人のスタイルなので。

ちなみに、大半の機械研ぎは機械研ぎと言いながら、完璧な全自動ではありません

大体は、ドーナツ型の砥石がモーターの力によって回転しているので、そこに包丁を自分で押し当てて研ぐという形になります。

つまり、半分手動です。

押し当てる感覚、角度が少しでも間違うと結構な大惨事になります。なので、機械研ぎも手研ぎ同様かなり技術がいります。

機械研ぎが上手な研ぎ師さんであれば、5~10分で研ぎが終わると思います。

よく、スーパーなどに車で来ている研ぎ師さんは、機械研ぎの割合が多いのではないでしょうか?スーパーなどに出店すると、大量の数をこなさないと売り上げが割に合わないはずで、1本1本手研ぎだと体力的にも時間的にも対応しきれないと思います。(刃先だけ研げば、手研ぎでもいけるかもしれません、切り抜けが改善されないけど)

 

まとめ

話が長くなりましたが、研ぎ師が研ぎにかかる時間は、

手研ぎ】でやっている研ぎ屋は1時間くらい

【機械研ぎ】でやっている研ぎ屋は10~20分くらい

を目安にしてもらえればいいかと思います。

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