ステンレス包丁は研ぐ価値無し!?
今回は、かなりの頻度でお客様に聞かれる内容についてお話しようと思います。
記事のタイトルにもあるように、一定数のお客様が
「このステンレスの包丁を他の研ぎ屋に持っていったら、そこの研ぎ師の人に『こんなの研ぐ価値無いわ!』って言われたのだけど、そうなんですか?」
っと、聞いてきます。
そして、そのようなことを言う研ぎ師の人は決まってご年配の方らしいのですが、やはり、昔堅気の人のステンレス嫌いは健在のようですね(;一_一)
なぜ、そんなにステンレスを邪険にするのかわかりません。ステンレスに親でも殺されたのでしょうか?(-_-メ)
はっきり申し上げておきますが、昨今、売られているステンレス包丁は研ぐことが可能ですし、研いだら鋭い刃がつきます。問題は、その鋭い刃が長持ちするかどうかだけです。
なので、鋭い刃が付くとわかっているだけで研ぐ価値は多少あるのではないでしょうか?
確かに安物ステンレスは、切れ味が長続きしません。それを考慮して、研ぐ価値が無いと判断される方もいるかもしれません。
ですが、同じようにどんな高級包丁でも、【研ぎ方】、【使い方】、【使う頻度】によってはすぐに切れなくなってしまうこともあります。
状況によっては、どんなものでもすぐにダメになってしまうものなのです。
安価なステンレス包丁の研ぎ依頼があれば、短所を先に説明してあげれば良いだけの話です。「間違いなく鋭い刃を付けて、切れ味を良くします。ですが、もしかしたら短期間で切れ味が落ちてしまうかもしれませんが、それでもいいですか?」っと。
「それでも構いません」と、おっしゃるようであれば研いでさしあげればいいのかなと。
もちろん、出来る限り長持ちするように研ぐのと、研いだ後の包丁の扱い方もしっかり説明すれば、なお良いですよね。
研いでも鋭い刃がつかず、切れ味が悪いものであれば、それは研ぐ価値が無いと断言してもしかたないですが、ただステンレスというだけで、【価値無し】と決めつけるのは見識が狭すぎますね。
ちなみに僕は、100均のステンレス包丁を自宅で試験的に使っています。ここ半年くらいは使っていますね。最後に研いだのは半年前なので、それでも今も使えています。キャベツの千切りも週4~5くらいでやっているので、それなりに酷使しています。
切れ味はかなり悪くなってきています。もうそろそろ研ぎ直してもいいころかもしれませんね。
安価ステンレス包丁は、デメリットばかりが目立ちますが、実はひとつ良い点があります。それは、
研ぎ直しが簡単!!!
安価ステンレス包丁は、鉄が軟らかいので初心者の人でも簡単に研ぎ直せます。
包丁研ぎを練習している人は、まずは100均の包丁で練習してみてもいいかもしれません(^O^)/
話がそれましたが、まとめると、
ステンレス包丁でも研ぐ価値は十分にあります。高級鋼包丁よりは、研ぐ頻度が早くなってしまいますが、それは研ぎ方、使い方、切る頻度、量を調節すればある程度カバーできます。
なので、みなさんのご自宅のステンレス包丁も一度、研ぎに出したり、ご自分で研いでみてはいかがでしょうか?
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