砥石だけで鏡面仕上げ
今回は、砥石だけで鏡面仕上げをする過程をお見せしたいと思います。
包丁は、関孫六の出刃包丁です。↓
“合わせ包丁”ではなく、ステンレス1枚でできた出刃包丁です。
なので刃境もないので、思い切って切刃の面を鏡面仕上げにしたいと思います。
鏡面仕上げにするには、よくグラインダーにバフを取り付けて白棒や青棒を用いて鏡面にしていくのが、研磨業界では一般的なやり方です。
包丁でもYouTubeなどを見ると、そのようにして鏡面にする動画も見受けられますね。
もしくは、ピカールなどの液体研磨材を使ってゴシゴシと磨いていく方法もあります。
これらの方法でも良いのですが、実は頑張れば砥石だけで結構な鏡面仕上げにすることが可能です。
方法は簡単。
ひたすら丁寧に研いでいくだけですヽ(^o^)丿
砥ぐ前の写真を載せておくと、、、こんな感じ↓
では始めていきます!
まず始めるのは僕は、200番台の荒砥石から始めます…
……………。
写真を撮り忘れました…(;一_一)
申し訳ありません!!なので次の工程に行きます!!
次は1000番の中砥石です↓
意識するポイントは、とにかく前の番手の傷を消しきること!!この場合だと、200番の荒砥の傷が、切刃のどこにも見当たらないレベルまでとにかく1000番の中砥石でゴシゴシ研ぎまくります。
続いて2000番の中砥石↓
↑これは刃の黒幕の2000番手の傷です。写真ではあまり1000番と変りありませんが、実物は傷が浅くなって光ってきています。
実は、もう一つ違うメーカーの2000番の砥石でも研いでみてみました。こちらは鏡面磨き用の砥石です。(商品名は内緒)↓
どうですか?同じ刃の黒幕の2000番よりこちらの方が圧倒的に鏡面仕上げに近づいてますよね?むしろこのレベルで満足される方がほとんどなのではないでしょうか?
細かな傷が見受けられますが、初心者の方がこのレベルまで磨くことができたら、十分だと思います。
同じ2000番手でもメーカーが違うだけでこうも仕上がりに差が出ます!(^^)!
みなさんも覚えておいてくださね!
砥石には、鏡面に向いていたり、霞ませるのに向いていたりと、様々な砥石があります。
そして、最後に仕上げ砥石の8000番↓(砥石は【北山】です)
2000番の時よりもよりクリアな鏡面になっているのがわかりますでしょうか?
別の角度から見るとこんな感じ↓
もう一度言いますが、機械や、バフ、液体研磨材は使っていませんからね?
手研ぎで、砥石だけでこれくらいの鏡面は可能です。時間にしておそらく30~40分くらいでしょうか?
もちろん、太陽光や光の強いLEDの下で見ると、まだまだ傷が残っていることが確認できます。
なので完全な鏡レベルではありませんが、それに近いレベルまでなら砥石だけで可能です。
ただ、鏡面にするには、和包丁なら【本焼き】や今回のような【1種類のステンレス】タイプ、つまり鋼材が1種類しか使われていないタイプの方がいいです。軟鉄と合わせて作られている霞包丁(合わせ包丁)切刃の鏡面に向いていないので、やめた方がいいです。
理由は、軟鉄は軟らかすぎるので、簡単に傷が付きます。この傷の付きやすさが鏡面の工程を著しく阻害してきます。とてもじゃないですが、砥石のでの鏡面はかなり難しいです。
それこそ、軟鉄を鏡面にしたいのであれば機械が必要になると思います。(やったことは何回もありますが、鋼やステンレスほどクリアな鏡面になりません)
あと付け加えると、できれば、包丁は硬めの鋼材で作られたものがいいです。硬い方が鏡面にしやすいです。
そして最後にもう一つ。鏡面仕上げの研ぎはとにかくゴシゴシ研ぎまくることです。しかも力は結構強めです。(僕の場合はね)消しゴムで鉛筆の後を消していくようにゴシゴシと力強く傷を消していくことで鏡面に仕上げることができます。
みなさんもチャレンジしてみてください(^O^)/
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