HATOGI屋(ハトギヤ)

シャプトン 刃の黒幕 #1000のレビュー

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今回はAmazonでも砥石の人気ランキング上位のシャプトンの【刃の黒幕#1000】をレビューしていきます!

こちらですね。製法はメーカー曰く、【マグネシア】だそうです。

 

高評価の刃の黒幕#1000!実際に使ってみた感想は!?

 刃の黒幕の#1000は、メーカーの説明にも、他のどこのサイトにも「荒砥いらず!この#1000だけで良い刃が付き、小さな欠けなら取れます!」っ的なことが書かれていますね。

実際は、どうでしょうか?研ぎ師の僕が研いだ感想を後ほど載せていきます。

ここからしばらく“砥石をケースから出して説明する”という一連の流れがあります。このサイトでは、どの砥石レビューページにも初心者の方にわかりやすいように【砥石を出して研ぐ前のことを説明】という同じようなことが最初に書かれていますので、他のページもご覧になっていて、「ケースから出して説明するこの流れはいいよ」と言う方は、研ぎの感想が書かれているところまでスクロールしていってください。

では、いきましょう!

裏はこんな感じで、メーカー名とか色々記載されています。なので、裏側ではなく表から使う方がいいかもしれません。

サイズは縦210mm、横70mm、高さ15mmと記載されています。前回レビューした#120とは違い、表記通りの高さは15mmでした(笑)#120の時は、記載サイズより2mmくらい厚かったので少し残念(*´Д`)まぁこれが当たり前なんですけどね!あれはたまたま幸運だっただけでしょう、、、。

ケースも実は、使い道があります。

裏側に滑らないようにゴムが付いており。

上に砥石を乗せて研ぎ台にすることができます。

ですが、あの下側に付いていたゴム、、、あまり意味が無く、結局ケースが滑るので、下に濡れ雑巾を敷いた方がいいです(-_-;)

刃の黒幕シリーズは水をほとんど吸い込みません。なので、水を垂らしてもこんな感じで、表面に水滴が付きます。しばらく使えばもう少し吸い込むかもしれませんが、もの凄く吸収することはありません。なので研いでいる途中に、頻繁に水を補給する必要がないです。もちろん多少は水を垂らす必要がありますよ(”ω”)ノ

 

刃の黒幕#1000で柳刃包丁を研ぐ!!

まず、下の写真が研ぐ前の写真です。研ぎ傷は、刃の黒幕#120の研ぎ傷が付いています。

 ゴシゴシと研いでいきます、、、。#120の時の様な滑る感覚は一切無いですね。しっかりと「研いでる~」っというような程よい引っかかり(砥石と包丁の摩擦)が感じられます。

もちろん、【#1000は中砥石】に分類されるので、【#120の荒砥石】のようにゴリゴリと鉄が削れる感じはありません。

80往復ほどして上記のような砥グソ(泥)が出ました。多くもなく、少なくもない。普通くらいですかね。もちろん、この砥グソを利用して研いでいってもいいですが、この砥石自体に研磨力があるので、この砥グソを水で流しても特に大きな問題はありません。砥グソが無くてもしっかりと削れますのでご安心を。 こんな事を言うと昔気質の研ぎ師の方から怒られそうですけど(笑)

でも実際、砥グソを利用しなくてもしっかり研げる砥石は増えていると思います。昔みたいに砥石を砥グソだらけにして、砥石の上をヌルヌルさせながら研いでいく必要もありませんね。

そう言えば、昔は「マグネシア製法は砥グソが出やすい」と解釈していましたが、最近は「いや、マグネシアだろうと、ビトリファイドだろうと、レジノイドだろうと砥グソが手出にくい物もあるし、出やすいものもあるな~一概には言えないな~」と感じている次第であります。

すみません、、、。初心者の方には「はぁ?何言ってんの??出てくる単語が全然わからん!」ってなりますよね(-_-;)

後日に必ず、砥石の製法(マグネシアとか、ビトリファイドとか、レジノイドとかね)や、その他の専門用語に関してもしっかり説明しますので、少々お待ちくださいませ!

では、レビューに戻ります。

柳刃包丁を研ぐとこんな感じになりました。今回は少し霞んだおかげで、刃境がはっきりわかるようになりましたね。

ちなみに、、、

砥グソを利用せずに研ぐと、上の写真のように刃境がさらにはっきりとし、鋼が光ってきます。まだ#1000なのでしっかり光りませんが、この後に#6000くらいの砥石を使うとピカピカ光ります。

 

そして、下の写真が砥グソを使ってヌルヌルさせながら研いだ状態です。

どうでしょうか?全体的に霞んでいますね。世間には、包丁を光らせるのが好きな方と、霞ませるのが好きな方がいるので、僕はお客様によって研ぎ分けています。

 

刃の黒幕#1000で鋼の三徳包丁を研ぐ!!

まずは、研ぐ前の写真です。研ぎ傷は、#120の研ぎ傷が付いています。

さらに、真ん中あたりに欠けがありるのがお分かりでしょうか?これくらいの欠けは、日常でよく発生してしまうと思うので、あえて荒砥石の時に取らず残しておきました。

 そして、#1000で研いだ後がこちら!

初心者の方にはわかりにくいかもしれませんが、#120の荒砥石で発生した斜めに入っていた研ぎ傷薄くなっているのが見て取れると思います。つまり、#120の研ぎ傷がしっかり#1000で消せているということになります。

この鋼の包丁でも滑る感覚は無く、しっかりと研げているという感覚が得られましたね。荒砥石のように「ゴリゴリ」とはいきませんが、「ゴシゴシ」といった感じですかね(*´з`)

 

研ぎの作業では、

荒砥石

中砥石

仕上げ砥石

という順番で作業が進められます。

つまり【荒砥石で欠けを取ったり、刃をたくさん削り】

荒砥石で付いた傷を中砥石で取り

中砥石で付いた傷を仕上げ砥石で取る

という様な解釈もできます。

各工程の作業をしっかり行うと最終的に仕上げ砥石の段階で刃が綺麗な鏡面になったり、食材が気持ち良く切れるくらいの鋭い刃が付けられるようになります。

 

次は、角度を少し上げて刃先だけ研いでみます。

上の写真のように、刃先だけ当たる様に研いでみたら、欠けがあらかた取れました。少しだけ残っていますが、あと数回研げば取れるレベルです。なので、この砥石の謳い文句どおり、「小さな欠けなら取り除けます」というのは、あながち間違いではなさそうですね。

ですが、、、

この包丁は刃先がとても薄いので簡単に欠けが取れましたが、分厚い包丁は欠けを取りにくいでしょう。刃先が薄い包丁限定で、欠けが取れやすいと言えます。

 

刃の黒幕#1000でステンレスの三徳包丁を研ぐ!!

最後にステンレス三徳包丁をとぎます。研ぎ傷は同じ他の包丁と同じ#120の傷です。

 

こちらが、#1000で研いだ写真です。

わかりますか?ステンレスでもしっかり#120の研ぎ傷が消されて、新しく#1000の研ぎ傷に上書きされています。

もちろん、ステンレス包丁でも滑る感覚は無く、ゴシゴシと研げている感覚が得られたのでとてもいい感じです。

あっそう言えば、どの砥石も「鋭い刃が付きます!!」的なことが書かれて売られていますが、鋭い刃が付くかどうかは砥石の性能もそうなのですが、研ぐ人の技術によるものが大きいので、あまり「この砥石さえ持っていれば大丈夫なんだ」っと思って買わない方がいいですね。

まずは、道具に甘えず、練習あるのみです(”ω”)ノ

 

結論!!

特徴・・・どちらかというと硬め。砥グソ(泥)もボチボチ出る。減りにくい砥石。

長所・・・硬すぎず、柔らかくもない砥石なので、万能にどんな包丁にでも対応可能できる。小さい欠けなら取れる場合もある。上手く研げば、ある程度の食材がスパスパ切れる切れ味が付く。

短所・・・欠けている分厚めの包丁を研ぐ場合、この砥石だけでは時間がかかり過ぎる。野菜などはスパスパ切れるが、刺身を切る分にはあまり合わない。(もう少し繊細な切れ味が必要ということ。#1000ではまだ荒い切れ味)

この砥石に向いている包丁・・・鋼でもステンレスでも、牛刀などの洋包丁でも、出刃包丁のような和包丁でも、何にでも対応できる。家庭の三徳包丁なら、これだけで研ぎを完了してもいいかもしれない。和包丁なら、この砥石で終わらせるのはもったいない。この砥石の後に仕上げ砥石を使うべき。

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