HATOGI屋(ハトギヤ)

シャプトン 刃の黒幕 #120のレビュー

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今回はシャプトンの刃の黒幕シリーズの荒砥石#120をレビューしていきたいと思います。

こちらですね。製法はメーカー曰く、【マグネシア】だそうです。

#120と言うととても荒い砥石になるので、包丁に欠けがある時や、刃先が丸くなりすぎてたくさん削らなければいけない時に使うと良いです。とても荒いので研ぎ傷も深いです。

取り出すとこんな感じ。

裏はこんな感じで、メーカー名とか色々記載されています。なので、裏側ではなく表から使う方がいいかもしれません。

 

厚みはあまり無いですね。

サイズは縦210mm、横70mm、高さ15mmと記載されていますが、嬉しいことに高さは17mmほどあり、記載サイズより2mmくらい厚いです(*´▽`*)

たまたまかな?

 

ケースも実は、使い道があります。

裏側に滑らないようにゴムが付いており。

上に砥石を乗せて研ぎ台にすることができます。

ですが、あの下側に付いていたゴム、、、あまり意味が無く、結局ケースが滑るので、下に濡れ雑巾を敷いた方がいいです(-_-;)

 

刃の黒幕シリーズは水をほとんど吸い込みません。なので、水を垂らしてもこんな感じで、表面に水滴が付きます。しばらく使えばもう少し吸い込むかもしれませんが、もの凄く吸収することはありません。なので研いでいる途中に、頻繁に水を補給する必要がないです。もちろん多少は水を垂らす必要がありますよ(”ω”)ノ

ということで、包丁を研いでいきましょう!!

まず、柳刃包丁を研ぎます!

これが柳刃包丁の研ぐ前の写真です。 新品の状態は“霞ませている”ので刃境の模様がよく分かります。日本刀のように波々の模様が出ていますよね?それが軟鉄と鋼の境目です。なので【刃境】と言います。

研ぎの玄人になるとこの模様を出すことも一つの楽しみになります。ピカピカ光らせるだけが包丁研ぎではないということです!まぁ、僕は光らせるの大好きですけどね!!(笑)

柳刃包丁を80往復くらい研いだら上記の写真の様に砥グソ(【泥】とも言います)が出てきました。ですが、刃の黒幕の#120は、あまり砥グソは出ないタイプです。もっとたくさん出るタイプの砥石もあるので、この砥石は出にくいタイプ、つまり【硬い砥石】に分類されるでしょう。そして、硬い砥石は減りにくい(凹みにくい)という利点があります。

研ぎ感は意外と滑るような感覚ですね。#120ならもう少しゴリゴリ削れる感覚が欲しいところですが、僕の主観で言わせてもらうと、少し滑ります。削れることには間違いはありませんが、、、。

 

あと、硬いと砥石が減りにくいのですが、砥グソが出にくい分【目詰まり】しやすいです。目詰まりというのはまた別の機会に説明しますが、目詰まりすると“悪い意味で表面がツルツル”になってしまい、これも滑る原因になるので、こまめに表面をザラザラにするメンテナンスが必要です。

 

砥石のメンテナンスは、別の機会にしっかり説明させていただきますが、とりあえず、【#120】は面直し(長く使われ凹んだ砥石を平面に直す作業)というメンテナンスを行うと、【目詰まり】や【目潰れ】がおこるので、ドレッシング砥石で【目立て】を行う必要があります。これを行わない人が多く、上手く研げない原因の一つになります。

目立て】とは?

砥石は角ばった粒(粒子)の集合体なのです。例えるなら、川の上流には角が尖っている石がありますよね?あんな感じで砥石の粒もゴツゴツしています。そして砥石はその尖っている粒子で鉄を削ります。ですが、長く擦られると表面の粒子は角が取れて丸くなってしまいます。上流にある尖った石がコロコロ転がって、下流に着くころには丸っこい石になってしまった感じを想像してもらえればわかりやすいかと(”ω”)ノ

その丸っこくなってしまった石をまたゴツゴツと尖った石に加工するのが目立てと言います。主にそれはドレッシング砥石という砥石でこすれば、表面がゴツゴツしてきます。表面がまたゴツゴツすれば、研磨力が復活するので、よく削れるようになります。

 

 

話を戻しますが、しばらく研いだら見事に包丁の【刃境の模様】が消えました。 研ぎ傷は、やはり#120だけあって深いですね。

包丁を研ぐ時は、包丁を左手で抑えますが、研ぐ面が広い和包丁をこの砥石で研ぐ場合、その抑える力を少し強くして研いだ方がいいかもしれません。軽く抑えるとツルツル滑る感覚に感じる場合がありますね。

 

  続いてステンレス包丁で研いでみます。

ステンレス包丁は、

・角度を少し上げて研ぐ方法

・ベタ研ぎ(角度を上げないで腹の部分をベタっと付けながら研ぐ方法)

の2通りで研いでみました。少し角度を上げて研いでみたら、かなり削れる感覚を得られます!!ゴリゴリ感凄いです!

ベタ研ぎで研いでみたら、や中砥石と同様に意外と滑ります。ですが、こちらの方がまだ削れる感がありますね。この砥石、ステンレス向きかも、、、。

ちなみに写真はベタ研ぎをした時の写真です。研ぎ傷の幅が広いのがわかりますかね?

 

最後に鋼の三徳包丁を研ぎます!!

ステンレス包丁の時は写真を撮るのを忘れてしまいましたが、鋼包丁はしっかり研ぐ前の写真を撮りました!!(笑)上の写真が研ぐ前の写真です。

 

そして下の写真が研いだ後の写真です!

もちろん、鋼の三徳包丁もベタ研ぎと角度を上げて研ぐ2通りの研ぎ方をしてみました。

こちらでも角度を上げて研ぐと【削れる感】が得られますね。ステンレスと同じくらいゴリゴリ削れます。

ベタ研ぎはやはり少し滑ります。「そんなに滑るのは問題があるか?」と聞かれたら許容範囲と答えるレベルですけどね。中には包丁と砥石の相性が悪すぎて、滑りまくる組み合わせもありますから(*´Д`)

 

結論!!

特徴・・・結構硬め。砥グソあまり出ない。

長所・・・硬いので減りにくい。#120ととても荒いので角度を少し上げて研げば鋼でもステンレスでも両方しっかり削れる。

短所・・・砥グソが出にくいので目詰まりしやすい。研ぐ面が広いと削る感覚より滑る感覚になる。

この砥石に向いている包丁・・・粒子が粗いので、ある程度の包丁なら削れてくれるが、高度が高い包丁(硬い包丁)は滑る感覚になるので、あまり向いていないかも。もちろん研げないこともないけどね、、、。柔らかめの包丁、例えば一般家庭用包丁クラス(ホームセンターとかに売っている包丁とか、安い包丁とか)ならゴリゴリ削れてくれるので、どちらかと言うとそちらの方がオススメ。

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