包丁の研ぎ方について思うこと
お久しぶりです!!
かなり久しぶりの投稿になってしまいました、、、。
業者さんにお金かけてサイト作ってもらったにもかかわらず、忙しさを言い訳にして、サボりまくりました(-_-;)
業者さんには、「新しいサイトが完成したら、毎日記事投稿しますね!」とかぬかしていたにもかかわらず、、、
結果、全く投稿していません!!!(笑)
恥ずかしい限りです。
なので今回はしっかりと研ぎに関する投稿をしていこうと思います!!
ではさっそくいきましょう。
研ぎの理想の角度は何度?
前の記事にも載せましたが、研ぎ教室を行っていると必ずされる質問。
「包丁研ぎの角度は何度ですか?」
はい。もうお決まりですね。
そして、これに対する僕の答えは、今までもさんざん言ってきましたが、
それは「切る対象と目的によって変わってきます」と。
呪文のように毎回言い続けています。
「こうすれば100%正解!」なんて無いと僕は思っております。
なぜ、この記事を書こうかと思ったのか?
それは、YouTubeで研ぎの動画が増えてきたのが原因です。
教室にいらっしゃる人は、必ずYouTubeを見てきます。
そこには、いろんなやり方が載っており、コメント欄でもいろんな意見が飛び交っていますが、それらを完全に鵜呑みにしてしまうのが危険だと感じました。
YouTubeにUPされている研ぎ動画が間違っているわけではありません。むしろそれらも正解だと僕は思います。
ですが、それだけが正解ではないということを頭に入れてほしいのです。
それともう一つ。
研ぎの玄人や一部の包丁マニア(オタク)の中には、鏡面やダマスカス模様を嫌う人たちがいます。
嫌うことはその人達の趣味嗜好なので一向に構いませんが、初心者の方達にそれらの包丁がまるで【悪】かのように表現するのはいかがなものかと思います。
よく言われるネガティブキャンペーンとしては、
- 「ダマスカス模様は模様だけで切れ味には関係ない。無駄に値段が高くなるだけ」
- 「鏡面は食材がくっつきやすいから逆に切りにくい。」
- 「無駄に見た目をカッコよくしているだけで、研ぎにくい。」
などなど。
他にもありますが、代表的な文句はこんな感じです。
僕は、前々から主張しておりますが、
包丁は見た目も大事
だと個人的には思っております。
なので、見た目に一目惚れして購入する方がいらっしゃっても全く問題ないと思っております。
その人の勝手ですからね。
そこに包丁の知識のある人がやってきて、「これは見た目だけで、機能的には○○だ○○だこっちの○○の方がいい!」とか言うのはちょっとどうかと、、、。
例えるなら、
ある日、自分の好みの服を買ったとします。もちろん服に関しては全く知識が無く、ダサ過ぎるのは嫌だな程度の興味しかありません。そんな自分が最低限これなら自分に合うかもという服に出会いました。
完璧が何なのかよく分かっていませんが、色、デザイン、サイズ、価格、どれをとっても個人的にまぁまぁということで購入したとします。
そして、さっそく着て友達と遊びに行きました。(仮にその友達がファッションについてとても詳しい友達だったとします。)
すると友達は、その服について指摘してきました「その服は、デザインだけで機能性や生地の質が非常に悪い。この部分の裁縫が雑だ。」っと。
、、、みなさんはこの指摘にどう思いますか?
僕はめっちゃうざいと感じます(笑)
「余計なお世話だよ!」って。
「こっちはわからないなりに考えて、総合的に納得して購入したんだよ!」ってなりますね。
お互いがファッションに興味があったりアパレル関係の仕事に就いていたりしたら、今の会話の中の指摘は全然ありだと思いますが、買った本人はファッションにほとんど興味ないんですよ?
これが、包丁の世界でも少なからず起きているんですね~。
包丁の知識がほとんど無い方達が、かわいい包丁やカッコイイ包丁を買ったりすると、「それは見た目だけで~」攻撃が始まったりするんですね(笑)たまに。
いや、指摘するなとは言いませんよ?
ただ、指摘するならデメリットばかり挙げて攻撃してないでメリットも教えてあげなよ。って思います。
それに指摘するならもうちょっと言い方ってもんがあるでしょうに、、、。明らかに攻撃したいだけの表現って結構あるんですよね。
その言い方だ言われた側はなんも得しないじゃん、、、って指摘。もはや悪口です。
ダマスカス包丁、鏡面包丁について
研ぎ師で鏡面やダマスカスをあ~だこ~だ言う人は鏡面にする技術が無いか、ダマスカス模様を復元するのが面倒くさいと感じているだけではないでしょうか?
それと、「鏡面にすると食材がくっつく」と言う人がいらっしゃっいますが、鏡面じゃなくてもくっつきますよ?
野菜を薄切りにしていると、鏡面じゃない包丁でも側面に野菜がくっつきます。みなさんもそれは経験済みだと思います。
僕は鏡面の包丁を研ぎに出されたら、なるべく傷つけずに研ぐか、傷ついたとしても後でしっかり傷を取る様にします。もちろん、お客様には追加料金いただく場合がありますけどね。ダマスカス模様はなるべくしっかり元に戻します。(レーザーで描かれただけのなんちゃってダマスカス模様は戻せません!)
ちなみに、研ぎを行うと大抵、研ぎ傷が付きます。鏡面やダマスカスはそれがとても分かりやすく、見た目が残念な感じになってしまいます。“ベタ研ぎ”にするともう傷だらけです。
そして、研ぎ業界はなぜか“ベタ研ぎが正義”みたいな風潮があるので、鏡面やダマスカスを嫌っている人もいらっしゃるのではないでしょうか?アンケートを取った訳ではないので、適当ですが(笑)
それにしてもベタ研ぎってなんであんなに推されてるんですかね?
理屈としては、切れ込みが良くなるということなんですが、
そんなことはわかっとるんですよ。
デメリットがあるかということもわかっているんですかね?そこも説明しているんですかね?
ちなみに、研ぐ時に角度を少しでも上げて研ぐと必ず湧いて出てくる輩が「刃先だけ研がれてる~、切れ込みが~、これは素人の研ぎ~」勢力の方達です。(笑)
ハッキリ言いますけど、その包丁の持ち主がどんなものを切るのか、その目的がわかっていないのに研ぎだけ見ていきなり否定するのはアンポンタンです。
もう一度言います。
アンポンタンです。
場合によってはこの指摘は、僕は思考停止だと考えます。
ある有名シェフが考案した料理のレシピがあったとします。そのレシピ通り作ればとても美味しく出来上がって有名ですが、それを自分好みにアレンジするのも普通ですよね?研ぎと料理の味付けは似ています。上手くいくテンプレートやセオリーはありますが、細かい部分、もしくは大部分をアレンジしてもなんの問題もありません。その人がそれで良ければいいのです!!
なので、考える必要があるのです。
自分にとっての理想の研ぎを。思考停止になって何でもかんでも包丁はベタ研ぎをしていればいいってものではありません。
自分で考えてくだだい。
自分の理想を。研ぎ師ならお客様の理想を。
有力者や、その業界で有名な人が「言っていたから」という理由だけで、その意見に染まらないでくださいね。
僕は、自分の教室で僕だけの意見に染まらないでほしいと思って教えています。
いろんな研ぎ方があるので、いろんな研ぎを参考にしてください。
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