HATOGI屋(ハトギヤ)

キングトイシ・ネオ ST-1 #800のレビュー

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今回は、キングトイシ・ネオ ST-1 #800のレビューをしていこうと思います。

 

これですね。 

 

ステンレス刃物専用と記載してありますね。なんでステンレス専用なんですかね?

 

そこらへんも考察していきましょう。

 

まずはスペックを載せます。

  • サイズ・・・縦185mm×横62mm×高さ25mm
  • 製造方法・・・レジノイドかマグネシアのどっちか
  • 使用前の給水・・多少水は吸うので吸わせてもいいけど、吸わせなくてもすぐに使える。
  • 硬さ・・・軟らかい

 

砥石の名前は【ST-1】なのですが、他にも【ST-2】とか【ST-3】とかがあります。性能の違いではなく、ただのサイズが違うだけのようです。

 

スペックのところに【硬さ・・・軟らかい】と書きましたが、これは箱に記載してある訳でなく、メーカーさんに先に教えてもらっていて知っていたので書きました。

 

ただ、なぜ“ステンレス専用”なのかは、自分で考察してみたかったので聞きませんでした。

 

水は、多少吸いますが、スペックのところにも書いた通り、最初に吸わせなくても、すぐに使えます。多量の水を垂らしたら急速には吸いません。↓

 

水を少量かけると、すぐに吸います↓

神経質に最初に水をたくさん吸わせなくても大丈夫そうです。

 

では、鋼の柳刃包丁から研いでいきましょう。

↑がST-1#800で研ぐ前の写真です。(サンタイガーGC#240の研ぎ跡)

↓がST-1#800で研いだ後の写真です。

ズームアップ↓

明らかに霞み(曇り)ましたね。

 

ちなみに、研ぎたての砥グソは黒い砥グソが出ますが、それは、鉄が削れて黒い砥グソが出る訳ではありません。↓

これは、砥石の表面に記載されているインクが溶けて滲んで黒くなっているだけなので、勘違いしないよう注意しましょう。↓

本当の砥グソは、黒い砥グソが出るというより、砥石が削れて砥石の粒子の砥グソが多く出てきます。↓

つまり、めっちゃ砥石の粒子が出る=減りやすい

ステンレス専用砥石ST-1で鋼の柳刃包丁を研いでみましたが、そこまで研げないこともないかな~という感想です。

ただ、研磨力がしっかりあるのかどうか(荒砥の傷が消せるかどうか)は、包丁が霞んでしまうのでよくわかりません。仮に、荒砥の傷が残っていても霞み(曇り)が研いだ面を覆ってしまうので確認しにくいです。

 

研ぎ傷が、#240の研ぎ傷から#800の研ぎ傷に上書きされているのか、、、

それとも#240の傷を残したまま、#800の傷もついているのか、、、

 

どちらなんでしょうね(*´з`)

 

続いてステンレスの三徳包丁にいきましょう。

↑がST-1#800で研ぐ前の写真です。(サンタイガーGC#240の研ぎ跡)

↓がST-1#800で研いだ後の写真です。

こちらも予想通り、霞み(曇り)ましたね。ステンレス専用砥石でステンレス包丁を研いでみましたが、「おぉ~さすがステンレス専用砥石!!」というほど、研いだ感は得られませんでした。

 

良くも悪くも普通でした。 

 

続いて鋼の三徳包丁にいきましょう。

↑がST-1#800で研ぐ前の写真です。(サンタイガーGC#240の研ぎ跡)

↓がST-1#800で研いだ後の写真です。

こちらも、霞み(曇り)ましたね。若干ムラがあるのは、気にしないでください(-_-;)

 

やはり研ぎ感は、個人差が出ると思いますが、そんなに吐出してステンレス専用ってほどでもないです。鋼でも研げないことはないです。

 

硬度が高く耐摩耗性がある包丁(主に高級ステンレス包丁)は、硬い砥石に当てると滑ってしまう場合があります。そのような場にこの砥石で研ぐと砥グソが大量に出てくるので、滑る感覚は抑えられます。ただ、しっかり削れるかどうかは、、、わかりません。

 

それと、砥グソが出やすいということは、砥石が減りやすく歪みやすいということなので、こまめな面直しが必須になります。

 

砥石のメンテナンスがしっかりできる人なら扱える砥石かなと思います。

 

それと一つ思ったことがあります。

 

包丁が霞む(曇る)ということは、研ぎ傷の一つ一つの感覚が広いということです。つまりひっかき傷のような跡ということです。

 

霞み(曇り)とは、【研ぎ傷の跡】なのですが、それが刃先までそのように研ぐと、刃先はミクロの世界でギザ刃になるのでは?っと考えます。 

 

そのギザ刃が出来ると、ステンレス包丁は切れ味が長持ちしやすいのかな?なんて思ったりします。

 

昔から包丁は、“刃先の形はミクロの世界で【ギザギザ刃】になっていて、その方が良く切れる”と言われてきました。ただ、これは半分正解で、ノコギリのような【ギザ刃】でなくても、【直刃(カミソリのようなギザギザしていない真っ直ぐな刃)】でもしっかり切れることが証明されています。

 

ステンレスにおいても【直刃】でも切れます。ただ、長く使用していると切れ味が落ちた時に滑りやすいという欠点がステンレスにはあります。

 

【ST-1】はそれを防ぎ、切れ味を長持ちさせるために、わざと砥グソを大量に出して、刃先をギザ刃にさせているのかな?でも#800だと仕上げ砥石ではないから、これで終わるとかなり荒い刃ができますね(*´з`)

 

この後に#3000とか#6000とかで研いでしまったら、#800でギザ刃にした意味があまりないですし、、、。

 

とまぁ、こんな感じで独自の見解を述べてみましたよ(”ω”)ノ

 

これは、あくまでも僕個人の見解なので、他の方が使ったら全く違う感想になる場合があります。皆様も参考程度に留めてくださいませ。

 

ST-1#800のまとめ

  • 砥グソがたくさん出る軟らかい砥石だよ。
  • ステンレス専用ってほどステンレスに特化した性能は感じないよ(個人的にね)
  • 砥グソを利用すると、硬い包丁でも研いだ感が多少得られるから、滑る感覚が嫌いな人にはいいかもね。
  • めっちゃ霞むから和包丁を霞ませるには、持ってこいの砥石だよ。
  • 霞みすぎるから、多少研ぎ跡が歪んでいても綺麗に研げていると勘違いしてしまう可能性があるから、注意が必要だよ。(和包丁の切刃部分が、良くも悪くも綺麗に霞んでしまい、”えくぼ”部分がわかりにくい)←和包丁の切刃部分で凹んでいる箇所を“えくぼ”と言う

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