錆び錆びの鉈の研ぎ
今回は、鉈の研ぎを載せます。
錆びだらけでどこまで錆びが落とせるか心配でしたが、意外としっかり落ちましたね。
このように赤錆だらけの場合、意外と表面だけの場合もあれば、内側までしっかり錆びてしまっている場合もあるので、削ってみるまでどうなるかわかりません。
ちなみに、内側まで錆びていると【孔食】と言われ、黒い斑点模様ができます。
孔食は人間で言うと虫歯のようなものなので、黒い部分は腐って包丁に穴が開いている状態です。虫歯の治療と同じように完全に削り落とさないと直りません。
見た目とは裏腹に結構深く穴が開いている場合が多いので、孔食の箇所はガッツリ削る場合がほとんどです。
孔食の厄介なところは、鋼だけでなくステンレスにも発生してしまう点ですね。
そして、その孔食が包丁の【平】の部分に出る分にはそこまで問題ないのですが、刃先に出てしまうと、研いでも研いでも刃先がポロポロと欠け落ちてしまうので孔食がなくなるまでひたすら研ぎ続ける必要があります。
これくらいひどい錆びだと、僕は回転砥石でガッツリ削って取ってしまいます。
ガッツリ削ってこんな感じに綺麗になりました!!
多少黒い部分が見えますか?
これが落としきれなかった孔食です。
今回の鉈は両刃なので、反対側もしっかり研いであります。
錆び落としの注意点
みなさん、家で錆びを取るときは、間違ってもグラインダーで取らないでくださいね。
素人がグラインダーで錆びを取ってしまうと、大抵は焼き戻し状態になってしまいます。
焼き戻しとは、簡単に説明すると、包丁(鉄)が軟らかくなってしまうということです。
軟らかくなってしまった包丁は切れ味が長持ちしませんので、包丁としての意味をあまり持ちません。
なので、手間がかかりますが、ご家庭なら砥石かサンドペーパーで少しずつ錆びを落としていきましょう。
錆びだらけの包丁にオススメの砥石やアイテム
オススメなのはダイヤモンド砥石の荒砥です。ホームセンターに売ってます(3000円くらい?)研磨力が非常にあるのでゴリゴリ削れます。削れ過ぎて傷が深くなるので難点ですが、それ以上に効率アップするメリットの方が大きいので僕はオススメします。
ただし、今回の鉈のような錆びだらけの刃物に限ります。ちょっと錆びている程度でダイヤモンド砥石を使ってしまうと、傷だらけになってしまいます。ちょっと錆びている場合はサンドペーパー(耐水ペーパー)の400番手~1000番手くらいのもので軽くこすってあげてください。そうすると簡単に取れます。
そして、ダイヤモンド砥石で削った後は、必ず、通常の荒砥(200~400番辺り)や耐水ペーパーの200~400番辺りでダイヤモンド砥石の傷を消してあげてください。そのままダイヤモンド砥石の削り傷が残っていると、その傷に水分が残って余計に錆びやすくなってしまいます。研ぎ傷を小さくしていけばしていくほど錆びにくくなりますので、できる限り研ぎ傷は細かくしておきましょう。
鉈の刃付け
鉈の刃付けは、ハマグリ刃にしてあります。鉈なので、木を力いっぱい切っていくでしょうからね。
そういえば、鉈には片刃と両刃の2種類がありますが、片刃の鉈で薪割りを行っている方はいらっしゃいますかね?よく分からず何となく片刃の鉈で薪割りをしている人がいるのであれば、両刃の鉈か手斧を購入した方が作業がはかどりますよ。
もちろん、自分がやりやすいのであれば全く問題無いのですが、片刃よりも両刃の方が綺麗に割りやすいので、初心者の方は、両刃の鉈で薪を割ってみてください。もっと言えば、鉈より手斧の方がいいんですけどね。そんなにたくさんの刃物を用意できない、もしくは用意したくないのであれば、両刃の鉈が使い勝手が良いと思われます。
理由としては、片刃だと木が綺麗に真っ二つに割れない可能性が高いからです。片刃は、木や小枝を払ったりする時に使われます。
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