サンタイガー GC#240のレビュー
今回は【松永砥石】の自社ブランド【サンタイガーGC#240】をレビューしていこうと思います。
こちらですね。【中研ぎ用】と記載されていますが、ガッツリ【荒研ぎ用】に使えるくらい荒砥石です( 一一)
まずは、スペックからいきましょう。
- サイズ・・・縦205mm×横70mm×高さ50mm
- 製造方法・・おそらくビトリファイド
- 砥粒の種類・・GC(グリーンカーボランダム)
- 使用前の水の給水・・必要
取り出してみて、うれしいビックリがありました。
それは、高さが50mmではなく54mmくらいあったということですね(^O^)/
いやー、4mmも記載サイズより分厚いなんてこんなうれしいことはありません。研ぎ師にとってはうれしい誤算ですね!(^^)!
砥粒の種類つまり研磨材は、【GC】なので、砥石に使われている材料の中では、ダイヤモンドの次に硬い研磨材です。硬くて粒子の角が鋭いことから研削力がとても高くて有名ですね。
硬くて、研削力のある砥石は、僕の大好物です。
水はめっちゃ吸います。
水を垂らした瞬間に吸収するので、しばらく水に浸けこんでから使用しましょう。
では、いつも通り、柳刃包丁から研いでいきましょう。
↑が 【サンタイガーGC#240】で研ぐ前の写真。
↓が【サンタイガーGC#240】 が研いだ後の写真。
まぁ当然と言えば当然なのですが、それなりに深い研ぎ傷がガッツリ付きますね。
研削力があるのは当然の結果です。
それと、もう一つ予想通りのことがありました。それは、鋼部分は若干滑るということです。砥石も硬く、包丁も硬いと互いが反発しあって滑るような感覚になります。
これが、硬い砥石は初心者の方には難しいと言われる所以ですね。
ただ、全く削れないわけでもないですし、慣れてしまえば問題ないかと(^O^)/
研グソは、やはり少ししかでません。そりゃそうですよね。硬いので。
この少ない研グソをしっかり利用して砥げば、硬い包丁もちゃんと削れていく感覚が得られるので、この砥石は、出来れば研グソは洗い流さない方がいいかもしれませんね。
続いて、ステンレスの三徳包丁です。
↑が 【サンタイガーGC#240】で研ぐ前の写真。
↓が【サンタイガーGC#240】 が研いだ後の写真。
こちらも、しっかり削れています。安価なステンレスは鋼より軟らかいので、硬い砥石とは相性がいいです。
家庭用ステンレス包丁の小さい欠け(1mmくらい)であれば、1~2分で取れるくらい削れます。
ですが、高級ステンレスになると、耐摩耗性が強力になってくるので、全く削れないということになってきますのでご注意を。
続いて、鋼の三徳包丁です。
↑が 【サンタイガーGC#240】で研ぐ前の写真。
↓が【サンタイガーGC#240】 が研いだ後の写真。
こちらは、柳刃包丁と同じ鋼ですが、こちらの方が削れる感覚が強かったです。おそらく、この三徳包丁の方が柳刃包丁より軟らかかったのでしょう。
#240でこれくらい削れるのは嬉しいですね。滑る感覚はどうしてもありますが、それは慣れなので、僕は特に気にならないです。
もし、滑る感覚がお嫌いであれば、必殺技を使って砥げば問題ありません。
必殺技とは、別の研磨材(粉状の物)を使うということです。
たとえばホームセンターに売っている物でいえば、↓のような【金剛砂】です。
サイズにもよりますが、大体1000円以内で買えるので、興味のある方は使ってみてください。
【C】と書いてありますが、これは、黒色炭化ケイ素と言います。ちなみに、今回の砥石の研磨材であるGCは、グリーンカーボランダムと言いましたが、日本語で緑色炭化ケイ素と言います。
中身は、こんな感じ↓
マニアックな話しになりますが、研磨材には、CとかGCとかWAとかPAなど色々ありまます。それを用途別に使い分けていくのが、研磨業界なのですがとりあえず、、、
こまけぇ~ことは気にしないで包丁を沢山削りたかったら【金剛砂】使っとけということにしておきます。
ちはみに、僕はWA(ホワイトアルミナ)を使っています(笑)
これを、砥石の上にかけて包丁を研いでいきます。↓
そうすると、ゴリゴリと包丁が削れていくのが体感できるかと。
もちろん、この必殺技は荒砥の段階での話です。中砥石や仕上げで金剛砂を使うと、削れ過ぎて調節が難しいので、必要ありません。
サンタイガーGC#240】 のまとめ
- この砥石の研磨材(原材料)は、GCという硬くて研削力のあるタイプの研磨材だから、ガッツリ削れるよ。
- GCは硬いから、砥石自体も減りにくいよ。
- 減りにくいので、おそらく【目詰まり】【目潰れ】は起こしやすい可能性があるよ。
- 軟らかい家庭用ステンレス包丁には絶大な研削力のを発揮するよ。
- でも硬い鋼材や鋼は滑ってしまい削れる感覚が少ないよ(だからと言って削れていない訳ではないよ)。
- 水はすごく吸収するから使う前にしっかり水を吸わせてね。
- サイズが大きい割に、手ごろな価格だからお求めやすいよ。
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