割込み型の三徳包丁の研ぎ方
今回は、三徳包丁の研ぎを載せたいと思います。
三徳包丁と言っても、
- 峰側までしっかり刃金が入っている【3枚合わせ型】なのか
- 途中までしか刃金が入っていない【割込み型】なのか
- 1枚だけで作られている【型抜きステンレス】なのか
- 【全鋼】型 (最近はあまり売っていない) なのか
色々ありますよね。
みなさんはどのように研いでいますか?
僕は、上記に挙げた包丁の型によって研ぎ方を多少変えていますし、包丁の分厚さや、場合によっては使用する人が何を切るのか?によっても研ぎ方を変えます。
今回はその中で割込み型の三徳包丁を研いでいこうと思います。
これが今回の研ぐ包丁です。
それなりにお値段がする(1万円を超えるもの)包丁は、槌目(半分くらいボコボコした跡があるやつ)が付いていたり、ダマスカスだったりしますが、この包丁は槌目だけですね。
この包丁の問題点は、結構肉厚な包丁なのに刃先だけしか研いでいないこと
が挙げられます。その理由は後ほど説明します。
では、研いでいきましょう!っとその前に、研ぐ前の包丁写真をズームアップしておきます。
刃先だけ研がれているのがわかりますね。
まずは、荒砥#220(ナニワ研磨工業の【剛研 荒武者 #220】)で研いでいきます↓
ここで刃境がハッキリ見えました。刃先2mmだけでなく、2㎝くらい研ぎ跡があるのがわかりますか?これはつまり、研ぐ時の角度を“ほぼ寝かせて研いでいる”ということです。
よく、研ぐ時の角度は10円玉が1枚か2枚入るくらいの角度といいますね。アレはアレで間違ってはいませんが、今回はそれよりも角度を下げて研いでいるということになります。
- 角度を上げれば上げるほど刃先だけしか当たらないので研ぎ跡は狭くなります。
- 角度を下げて寝かせるほど包丁の側面も当たる様になるので、研ぎ跡が広くなります。
それと、割込み包丁は刃先が見えた方が見栄えがいいので、しっかり刃境を出してあげましょう。
そして、中砥石の#2000(シャプトン 刃の黒幕 #2000)で研いでいきます。
仕上げ砥石#10000で完了です。(ナニワ研磨工業 剛研 #10000)↓
僕は地金(側面の軟らかい鉄)は霞ませて、刃金(刃先の硬い鉄)は光らせるのが好きなので、↑このように研ぎましたが、初心者の方がこれを真似しようとすると少し、難しいと思います。まずは、刃金だけでもピカピカに光らせることを目標に研いでみてもいいかもしれません。
それと、肉厚な三徳包丁を刃先だけ研ぐのがなぜ問題なのかの説明ですが、
まずはこの画像を見てください。
この場合、どちらの包丁が食材に切れ込みやすいかわかりますか?
簡単ですよね。Bの方が食材に切れ込みやすいです。
Aのように刃先だけ研ぐと、分厚い包丁は食材に切れ込みにくくなります。なので、Bのように側面をある程度削ってあげて、刃先の角度を鋭角にしてあげることが時には大切になります。
ただ!なんでも側面を削って薄く、鋭角にすればいいってもんじゃありません。側面を削り薄くするということは、欠けやすくなるということにも繋がります。
場合によっては、分厚い包丁の方が重宝されることもあります。欠けにくいので(”ω”)ノ
僕の場合、側面を削った包丁の刃先は欠けにくいように多少研ぎ方を工夫するようにしています。
みなさんも、包丁の薄さ、用途(切る対象物)、頻度などを加味して、どのように研ぎたいかを決めていきましょう!!
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