タケフナイフビレッジ包丁造り体験その②
その①の続きです。
いよいよ包丁を造っていきます!!
まずは、包丁を熱して、叩いて、既定のサイズまで伸ばしていきます。

この窯で包丁を900度くらいまで温めます。

燃料は石炭だそうです。

こちらの機械で、熱した包丁を叩いて伸ばしてきます。なんと70年位前の機械だそうです!ベルトが回転することでハンマーが叩きつけられるタイプの機械なのですが、現場では、ベルト式ではなくスプリング式(バネ式)の強力なタイプの機械が使われているそうです。なので、このベルト式は体験用とのこと。
しかし、体験用だとしても僕たち初心者にはかなり強力な振動が伝わてきます!!
最初はビビりましたね(; ・`д・´)
車のアクセルのようなスイッチがあり、それを踏むとハンマーが動くのですが、強く踏み込むとハンマーが高速になり、軽く踏むとゆっくり動きます。
当然、その加減が最初は全くわかりません!
強く踏み過ぎていきなりハンマーが高速で動き出したり、ビビり過ぎてハンマーがめっちゃ低速で動いたりと、機械相手に悪戦苦闘です、、、。
もちろん、最初は鉄の塊を叩いて練習します。それと、お手本を見せてもらえますし、難しいようだったら手直しもしてもらえます。

↑職人さんのお手本の様子。

体験には、11月に行ったのでかなり肌寒い季節です。しかし、職人さんは半袖の格好です。つまり、それくらい暑い環境だということが伝わってきますね。
もちろん、全員半袖ではありませんが、↑の写真のように1000度近い火の近くで作業することがあるので、四六時中暑いそうです。

焼いて叩いてを繰り返し、既定サイズまで伸ばしました。↑

そうすると、次に表面に付いた酸化被膜を落とします。↑の黒いプクプクと膨らんだ跡が分かると思います。この被膜が残ったまま作業をすると傷が付いてしまうそうで、この被膜をハンマーで叩いて落とします。ハンマーと言っても機械ではなく、自分でハンマーを持って叩いて落とします。(現場では、大量な数の包丁を機械でいっきに落とすらしいです。)

ハンマーでベッコベコに叩きます(; ・`д・´)

ハンマーで思いっきり叩くという作業は、慣れていないとかなりキツイ作業だということを再認識しました、、、(-_-;)
黒い被膜がある程度取れました。↑
そして、この叩いた包丁の表面を触るとザラザラしています。つまり組織が粗いということで、ここからさらに強力な機械で叩いて、組織を引き締めます。(作業名:荒ならし)

場所を移動して、工場内にある強力な機械で叩きます。

最初に使っていた機械よりもハンマーのスピードといい、衝撃といい、強力のような気がする、、、(気のせいかな?笑)
この時は、包丁は火で温めませんでしたね。冷えた状態で叩きまくります。

↑が機械で叩きまくった後の包丁です。表面を触ると、ツルツルしており、叩く前より凝縮された感がありますね。そして、ここである程度の歪を直しておくことも行われるようです。
この後は、既定の包丁の形にする為、 プレス機で余計な部分を切り落とします。↓

ここは、完全に機械で自動化されているので、プレス機に包丁をセットしてボタンを押せば、、、↓

こんな感じで綺麗に包丁の形が出来上がります(*´▽`*)
そして、プレス機で包丁の形に成形されたら、それでもまだ歪んでいるので、ここからさらに包丁を機械で叩いて歪を取っていきます。↓(“ならし”って作業だったかな)

ならしの作業が終わったら、切り取られて現れた切断面を少しだけグラインダーで削り取ります。
なぜ切断面を削り取るのかというと、プレス機で切られて現れた切断面には、細かなひび割れが存在しており、そのひび割れを放置したまま焼き入れをするとそこから割れる可能性があるからだそうです。
焼き入れは、包丁を高温に熱してから水に入れて急冷する作業ですからね。【膨張】から一気に【収縮】するので、すこしでもひび割れがあるとそこから割れる可能性があるようです。
さて、これまで、様々な作業をこなしてきましたが、次がいよいよ“焼き入れ”の作業に入ります!そして焼き入れが終わったら、刃付けと続きます。ですが、今回は長くなったのでこれまでにして、焼き入れは次回の記事に載せたいと思います。
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